特殊メイクが話題!実話をもとにした映画『スキャンダル』

あらすじ

 

時は2016年

物語は3人の女性を主軸に進む

 

FOXの人気キャスター、メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は大統領候補トランプの女性蔑視発言を追及するが

激怒したトランプが、メーガンへの罵詈雑言をツイートする・・・

 

2年前に昼の番組に降格されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)は

降格されたのはCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)から迫られた性的関係を拒絶したからだ

グレッチェンはロジャーをセクハラで告訴するとことを弁護士に相談した・・・

 

スターキャスターを目指す、ケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)はグレッチェンのもとで働いていたが

副社長にお願いし、ビル・オライリーの人気番組に抜擢されるがビルに否定される・・・

 

トランプの支持は拡大し、FOXニュースにはメーガンへの抗議メールが届くようになっていた

ケイラはロジャーに自分を売り込むが、忠誠心をどう証明するか考えとけと命じられる

 

7月6日、世界に衝撃が走る

グレッチェンが、ロジャーをセクハラで訴えたのだ

激怒したロジャーは、全面否定するとともにあらゆる手を使って反撃に出る

局内でグレッチェンに続く女性は出てこないと思われていたが

ロジャーがFOXニュースを創設する前にセクハラを受けたという女性が6人も現れた

 

果たして、メーガンとケイラも真実を告白するのか・・・

 

 

 

アカデミー賞受賞、カズ・ヒロの特殊メイクとは?

 

カズ・ヒロ2度目のアカデミー賞受賞

 

カズ・ヒロが本作で、第92回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞に輝いた。

第90回アカデミー賞でも「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でゲイリー・オールドマンを担当し、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞している。

 

 

 

シャーリーズ・セロンへのメイクは?

 

メーガンはまぶたが厚いけど、シャーリーズのまぶたは深くくぼんでいる。かなり形が違う。だから、コンタクトレンズを作り、鼻の先、下顎、エラ部分にピースを付けた。

さらに、顔全体の印象を大きく変えた鼻のパーツには、彼女の鼻の内部の鋳型(いがた)を取り、その鋳型をスキャンしてコンピューターに取り込んだ後にコンピューター上で鼻栓をデザインして、それをプリントアウトした。シャーリーズ・セロンは毎日3Dプリンターで作った鼻栓を付けていた。

鼻栓がシャーリーズ・セロンの声に影響することがあってはいけなかったので、最終的には非常に小さなものになったけどメーガン・ケリーの鼻孔をうまく再現できている。

 

ニコール・キッドマンへのメイクは?

 

ニコール・キッドマンは長時間イスに座るのが好きじゃないといっていたので付け加えるピースは鼻と顎だけと最低限にとどめた。

グレッチェンの顔は丸かったから、最初は頬をカバーするピースをデザインしていたけど、話し合いの末、それはやめることとなった。

 

 

主要キャスト

 

シャーリーズ・セロン(メーガン・ケリー)

 

1975年南アフリカ生まれ。15歳の時に家庭内暴力が原因で母が父を射殺。バレエの道を目指してニューヨークに母娘で移住するが足のケガで断念。その後、女優を目指してロサンゼルスへ。

2003年には体重を大幅に増やして実在のシリアルキラーを演じた『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を受賞。

 

 

 

 

ニコール・キッドマン(グレッチェン・カールソン)

 

1967年アメリカハワイ州生まれ、オーストラリア育ち。幼い頃から女優を目指し、14歳で映画デビュー。

2002年の『めぐりあう時間たち』でアカデミー賞主演女優賞受賞。演技派スターとしての地位を確立している。

 

 

 

マーゴット・ロビー(ケイラ・ポスピシル)

 

1990年オーストラリア・ゴールドコースト生まれ。2008年に女優デビュー。

2017年に『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、実力派として認められる。

 

 

 

ジョン・リスゴー(ロジャー・エイルズ)

 

1945年アメリカニューヨーク州生まれ。ハーバード大学を卒業後、ロンドン・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマティック・アーツで演技と美術を学ぶ。

73年『The Changing Room』でブロードウェイデビューしトニー賞助演男優賞を受賞。

 

 

スキャンダルで描かれている実話とは?

 

スキャンダルでは、2016年に米テレビ局・FOXニュースで実際に起きた事件の裏側が描かれている。

2016年、アメリカのニュース放送局で視聴率ナンバーワンを誇るFOXニュースの看板ニュースキャスター、グレッチェン・カールソンが、FOXニュースのCEO、ロジャー・エイルズをセクシャルハラスメントで提訴した。

エイルズとFOXニュースはまったくの事実無根として、グレッチェンの主張を否定していたが、その後、人気ニュースキャスターのメーガン・ケリーを筆頭に、20名以上の女性社員たちが性的嫌がらせを告発したことで、エイルズはFOXニュースのCEOの座から退いた。

グレッチェンによると、セクハラは日常的に行なわれていたそうで、エイルズ氏からの性的な誘いを断ったことを理由に、自分が担当する番組が視聴率の取れない時間帯に移動させられるなどの嫌がらせを受けたこともあったという。

セクハラを告発した女性社員のなかには、性行為の模様を撮影した動画をエイルズ氏から送りつけられて、訴えを取り下げるよう圧力をかけられた者もいることが米TIMEの調べでわかっている。

エイルズ氏はFOXニュースのCEOを退任したあと、ドナルド・トランプ米大統領のパーソナルアドバイザー(助言役)に就任するも、2017年にくも膜下出血により死去した。

グレッチェンとは2016年に和解が成立しており、FOX側が約20億円の和解金をほぼ全額負担するかたちで決着がついた。和解における秘密保持条項のため本作に意見することはできない。

 

 

『スキャンダル』撮影秘話

 

シャーリーズ・セロンがニコール・キッドマンに電話?その内容とは

 

シャーリーズは恐る恐るニコールに企画に参加してくれるか電話をしたらしい。

ニコールの返答は「シャーリーズ、私はどこにも行かない。あなたの味方だから」だったので、彼女のような味方がいることはとても心強かった。

 

3人のエレベーターでの印象的なシーン

 

あのシーンは、撮影の中盤に入っていたから、シャーリーズ、ニコール、マーゴットの3人とも自分たちの役柄になりきっていて自信もついていた。

撮影し初めにあのシーンを撮影していたら、あそこまで力強いシーンにはならなかったかもしれない。

3人がお互いを理解しあうまで十分な期間があったからこそ生まれた名シーンとなった。

 

シャーリーズのメーガン役への探究心

 

シャーリーズは的確にメーガンを表現したくて、睡眠時間を削り、メイクなどの役作りに取り組んだ。

役作りのために酷使していたから、ジェイ・ローチ監督は「特別なことをする必要はない。純粋な演技でメーガンを表現することもできるのだから」と言ったが、シャーリーズは「鏡で自分を観た時に、自分が消えてなくなるまで追求したい。私でなくメーガン・ケリーとして声を発したい。」と言った。

 

ニコール・キッドマンが気付いた脚本の欠陥って?

 

グレッチェン・カールソンは彼女自身が話すことは禁じられていたがゆえに、情報が十分ではなかった。

ニコールはこのままではグレッチェンという人物像を十分に描ききれてないと後悔するのでは?と言った。

グレッチェンが母親だとわかるシーンを加える必要があるのではと、彼女には養わないといけない家族がいて、そこにこだわりがあるからだ。さらに、ニコールは彼女の孤独感を表現する必要があると言った。

ジェイ・ローチ監督はニコールは物語に対する勘が鋭い、その役が物語の中で生きるために何が必要かということをしっかり理解していると言っている。

 

マーゴット・ロビーは人物分析オタク?

 

マーゴットは脚本オタクで人物分析オタク。

脚本の気になるシーンには付箋がはられ、すべての台詞に丁寧に手書きでメモが足されている。

脚本のチャールズを呼んで話し合うことともあり、脚本を書き換えることもあった。

マーゴットはケイラの未来までも思い描いていて、彼女が60歳になるまでの、彼女のセクシュアリティについて、すべて書き出していたそうだ。

 

チャーミングな俳優、ジョン・リスゴー

 

ジョン・リスゴーが演じるロジャー・エイルズはメディアの分野では優秀だったという人や、選挙活動でも顧問になっていたし、ニュースには長けていたという意見も出ている。

ロジャーという人間は多くの人から愛される人でもあった。彼に助けてもらったというエピソードまである。彼は非常に無邪気でチャーミングだったと人は言う。

そういうものを自然に持ち合わせた俳優。ジョンは、そういった部分を持ち合わせている俳優だとジェイ・ローチ監督は言う。

 

 

感想レビュー

 

この映画は、FOXニュースのCEOが女性キャスターからセクハラを告発され失脚した実話をベースにした映画です。

この作品の主演でプロデューサーでもあるシャーリーズ・セロンは『スタンドアップ』(05)で鉱山労働者となったシングルマザーの主人公が男だらけの職場で激しいハラスメントに対立し立ち上がり、戦いを挑む実話に基づいた作品で主人公を演じている。10年以上前にシャリーズは、この問題に一石を投じていた。

 

 

 

 

 

しかしながらハラスメントはこうした男社会だからおこったわけではなく、メディア界でも起こっていたのである。

スキャンダルは告発について語るのではなく、こうした問題に直面した女たちのドラマにフォーカスしている。

シャリーズ演じるメーガンもニコール演じるグレッチェンも、厳しい社会の中で勝ち抜いてきた女闘士であり、女性同士だからといって安易に連携などしない。

プロデューサーであるシャリーズは「勝訴した女性たちをヒーローに見せたりメーガンを好きに見せたりする映画ではない」と言っている。真実を提示して見せることにこの作品の最大の意味がある。