【歴史的離脱】いまさら聞けないイギリスはなぜEUを離脱したの?

イギリスは1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)、47年間加盟していたEUを離脱した。

ロンドン・ダウニング街の首相官邸の壁に投影されていた、ビッグベンの鐘の映像と共に録音された鐘の音が鳴らされた。イギリス国旗を手に議事堂前の議会広場に集まった人たちからは、大歓声が上がった。

EUの意味?

そもそも、EUって何?

EUとは、 European Union(欧州連合)の略称で、マーストリヒト条約(欧州連合条約)により欧州共同体(EC)を改組設立されたヨーロッパの地域統合体。経済分野について超国家的性格を持つ欧州共同体の枠組みが構築され、経済政策の統括や通貨統合(ユーロ導入)などが実現しました。

国はそれぞれ独立して存在するが、共通通貨(ユーロ)を設け、EU加盟国の間の移動時のパスポートチェックなどを簡略化するなどして、輸出入時の制限を取り払い、加盟国同士協力し合って良好な経済関係を築く、といった効果を期待された。

EUいつから?

<EU誕生年表>

  • 1951年欧州石炭鉄鋼共同体の設立条約署名
  • 1957年欧州経済共同体や欧州原子力共同体の各設立条約署名
  • 1992年2月7日に欧州連合条約が調印。
  • 1993年11月1日のマーストリヒト条約発効によって、EUが誕生しました。

 

EU加盟国

1月31日午後11時(日本時間2月1日午前8時)にイギリスが離脱し27か国となる。

ベルギー、オランダ、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、ブルガリア、チェコ、デンマーク、クロアチア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、エストニア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ハンガリー、マルタ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン

イギリスEUなぜ離脱?

  • イギリスのEU離脱の根底にある理由の一つとして、同国の英米法的な社会法制度とドイツ・フランス等の大陸法的な社会法制度の間の非整合性がある。
  • イギリスのEU離脱の理由として移民問題が挙げられることが多い。これは表面的には正しいのだが、根底に存在する社会法制度の非整合性の問題が顕在した一例であるという認識を持つことが大切である。

 

EU移民問題

2004年東ヨーロッパ・バルト諸国がEUに加盟しました。EUでは人の移動は基本的に自由にできるので、このことによって、東ヨーロッパ・バルト諸国から経済状況の良いイギリスには多くの移民が入ってきたのです。

移民が多く入ってくることにより、イギリスの社会保障費など福祉制度にかかる費用が圧迫される。福祉制度にかかる費用はイギリスの税金を使うことになる。さらには、低賃金で働く移民に雇用が奪われているという不満も出ていた。

イギリスEU離脱についてEU委員長の発言

欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長はツイッターで、「欧州が直面する課題や、欧州がつかむことのできる機会は、ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)でも変わっていない。これに関して私たちはイギリスとできる限り最善な関係を持ちたい。しかし、加盟関係ほど良いものには決してならない。#新しい始まり」とツイートした。

 

イギリスEU離脱、EU蛍の光合唱

ベルギーのブリュッセルで1月29日(現地時間)、イギリスのEU離脱協定案が可決されると、さまざまな加盟国、政党から集まった欧州議会議員らは手をつないで「オールド・ラング・サイン(「蛍の光」の原曲)」を歌って、別れを惜しんだ。

 

EU離脱派-祝賀ムード、残留派は『蛍の光』合唱

英国が欧州連合(EU)を離脱した1月31日夜、ロンドンなど各地で、離脱派や残留派による集会が開かれた。ロンドンの議会前広場には離脱派を中心に大勢の人が詰めかけ、歴史的な節目を祝った。

議会前広場では、英国旗ユニオンジャックや「独立記念日」などと書かれたのぼりを掲げた離脱派が続々と集まり、国家を歌うなどして気勢を上げた。EU離脱党のファラージ党首らの音頭によるカウントダウンで31日午後11時の離脱の瞬間を迎えるとひときは大きな歓声が上がった。

一方、残留派はというと議事堂前の議会広場で、欧州旗を掲げてブレグジットに抗議デモをする姿も。「私たちは必ず戻ってくる」と書かれたプラカードを手にしたり、欧州旗を模したマントを羽織ったりした人もいた。

首相官邸プロジェクションマッピング

イギリスEU離脱の瞬間、ロンドン・ダウニング街の首相官邸の壁に投影されていたカウントダウンの時計が「00:00」を表示し、ビッグベンの鐘の映像と共に、録音された鐘の音が鳴らされた。

ビッグベンの鐘の映像を投影してたけど、ビッグベンて何?
ビッグ・ベン (Big Ben) とは、ロンドン中心部、テムズ川河畔にあるウェストミンスター宮殿の時計台の鐘(大時鐘)の愛称。時計台そのものを指してそう呼ぶこともあるそうです。
なぜビッグベンの鐘の映像と共に、録音された鐘の音が鳴らされたの?
ビッグベンは現在修繕中で修繕工事期間は、2017年8月21日~2021年までの4年間となっています。工事期間中は鐘を鳴らすのも停止しています。

ジョンソン首相-新たな時代の夜明け、グローバル化

英国のジョンソン首相は31日午後10時(日本時間1日午前7時)、欧州連合(EU)からの離脱に関する国民向けの動画メッセージを公表した。

<ジョンソン首相メッセージ・ポイント>

  • これは終わりではなく始まりだ
  • 取り戻した主権という新たな力を、国民が支持した変革を実現するために行使していく。移民の管理自由港の創設漁業の解放自由貿易交渉によって。もしくは単純にこの国の人々の利益になる自分たちの法律やルールをつくることによって。
  • これは新たな時代の夜明けだ。
  • 犯罪の撲滅NHS国民医療制度)、より良い教育、卓越した技術、そしてビクトリア朝以来で最大のインフラ再生とともに、英国のあらゆる場所に希望と機会を広げていく
  • 外交気候変動との闘い、人権や女性の教育向上の運動において、私たちは何十年も使ってこなかった力を再発見できるだろう。独立した思考と行動の力だ。
  • EUと意欲的な英国との間の、友好的な協力関係の新時代の始まりにしたい。
  • この国のとてつもない資産科学者技術者、世界に冠たる大学軍事力を考えたとき。解き放たれるのを待っているこの国の可能性に思いをはせたとき。私たちはこの可能性を素晴らしい成功に変えていけると私は確信する

2020年末まで移行期間

離脱と同時に、英国が加盟国並みの状態を維持する「移行期間」が始まった。社会や経済の仕組みの急変を回避する経過措置で、英国は原則年末まで、実質的にEUに残留する。

<移行期間スケジュール>

  • 2020年1月31日:イギリスEU離脱、移行期間スタート
  • 2020年3月上旬めど:イギリスEU、貿易交渉入り
  • 2020年6月末:移行期間の延長判断期限
  • 延長なし→2020年12月末完全離脱、延長有→2022年12月末完全離脱

 

イギリスEU離脱とアイルランド

北アイルランド問題の解決。今後のFTAと切り離して、北アイルランドだけを特別扱いする形で事実上、EUの関税同盟と物品規制内に残す決断をした。その雛型はメイ前首相の離脱方針「チェッカーズプラン」にあったのだが、これを決断したことで国境検問を設けなくてよいことになった。

イギリスEU離脱と日本

英国には多くの日系企業も進出している。自動車メーカーや電機メーカーが工場を操業したり、欧州での拠点にしたりしている。EUや各国との協議次第では大きな打撃を受ける恐れがある。日系企業の中には、金融機関を含めて英国外のEUに拠点を移す動きも出ている。